ベランダは洗濯物を干したりガーデニングのスペースとして日常的に使う場所です。
良く使用する場所である上、雨や直射日光が当たるため劣化しやすく定期的なリフォームが必要です。
この記事では、ベランダ・バルコニーのリフォームの外構工事の種類をご紹介します。
防水工事
ベランダ・バルコニーの防水工事の必要性
ベランダ・バルコニーの防水工事とは、ベランダの床面を防水性のある素材で覆い、防水効果を高める工事のことです。
新築のベランダはコンクリートまたは木材でできたベランダに表面を防水層で覆っています。
年月が経過して防水性が衰えると雨がベランダに接している壁や、天井から染み込んで雨漏りが発生する可能性があります。
そのため、定期的に防水リフォームを行う必要があります。
ベランダ防水リフォームには以下のような種類があります。
トップコートの塗り替え
ベランダの表面には防水層をコーティングするトップコートが塗られています。
ベランダの表面がグレーや緑色をしているのを見たことがある方も多いかと思いますが、これがトップコートです。
トップコートは年月が経過すると風雨や紫外線により劣化していきますので、5～10年おきに塗り替えが必要です。
トップコートには「ポリエステル系」と「ウレタン系」の2種類があります。
ポリエステル系は新築でよく採用され、強度はあるものの経年劣化により割れやすいという特徴があります。
ウレタン系はベランダリフォームでよく採用され、伸縮性があるため割れにくいという特徴があります。
FRP防水
FRP防水は新築のベランダに多く採用される防水工事です。
液体状の防水材とガラス繊維などの補強材が含まれる強化シートを組み合わせて施工します。
FRB防水は強度が高いため、上に物を置いても変形しにくく、継ぎ目のない塗膜防水が可能なため、腐食しにくく複雑な形状のベランダにも対応できる、などのメリットがあります。
ウレタン防水
ウレタン防水はメンテナンスで利用されることの多い防水工事です。
ウレタン防水には下地に張った補強布に直接防水材を塗る「密着工法」と下地に張った通気緩衝シートに防水材を塗る「通気緩衝工法」の2種類があります。
比較的安価であらゆる下地に対応できる点がメリットです。
シート防水
シート防水は屋上などの広い場所でよく採用される防水工事です。
シート防水には「塩ビシート防水」と「ゴムシート防水」の2種類がありますが、塩ビシート防水が一般的です。
シート防水は施工面積が広いほどコストが安くなる傾向があり、トップコートが不要のことも多い点がメリットです。
サンルームの設置
サンルームの増設リフォーム
サンルームは暖かい太陽光を室内に取り込むことができ、後付けリフォームする方も多くいらっしゃいます。
天候を気にせず洗濯物や布団が干せたり、小さなテーブルと椅子を置いて室内テラスとしても活用できます。
また、サンルームを作ることで隣接する部屋の断熱性が高まるなどのメリットもあります。
サンルームの後付けリフォームは基本的に「テラス囲い」というタイプを取りつけます。
庭に面した1階または2階のベランダに設置できますが、3階には設置できませんので注意が必要です。
サンルーム設置リフォームの注意点
サンルームを設置する場合にはいくつかの注意点があります。
1つは建蔽率が規定値を超えてしまう場合です。
一戸建てでサンルームを増設する場合には建蔽率が規定値を超えないように気を付ける必要があります。
建蔽率がオーバーしてしまうと、火災保険や地震保険の契約ができなかったり、契約中の保険であっても万が一のときに保険金がおりない、といったトラブルが起こることがあります。
もう1つは固定資産税です。
サンルームは部屋とみなされるため、建物の面積が増え、床面積で算出する固定資産税の対象となります。
一般的に6畳程度の広さのサンルームでは1.5～2万円ほど固定資産税が高くなると考えておいた方が良いです。
サンルームを増設したら不動産登記の変更申請も必要です。
サンルームを設置してしまったあとではもとに戻すことは難しくなりますので、事前によく調べてから設置を決めるようにすることが大切です。
バルコニー屋根の取り付け工事
屋根がついていないバルコニーに屋根を設置して洗濯物を干せるようにしたい、という場合は屋根を後付けリフォームすることも可能です。
近年ではゲリラ豪雨による激しい雨水を防ぐために屋根の後付けリフォームをする方もいらっしゃいます。
屋根があると日差しも遮ることができますので、室内が高温になることも防ぐことができます。
屋根の素材にはアルミやポリカーボネートなどがあります。
バルコニーの屋根設置リフォームは屋根材のグレード、バルコニーの広さにより変動します。
ベランダ・バルコニーの交換
ベランダが屋根の上に乗っている「屋根置き式」の場合、ベランダが腐食するなど老朽化したら交換工事を行う必要があります。
屋根置き式以外にもベランダには「柱建て式」「庭置き式」などさまざまなタイプがあり、屋根の上に設置する以外にもあらゆるケースに対応したベランダを設置することができます。
床材の種類も塩ビデッキ材や樹脂デッキ材、アルミデッキ材などさまざまなタイプがあり、ベランダの塀も格子タイプやカーボネートタイプなど複数種類がから選ぶことができます。
カラーバリエーションも豊富ですので、建物の外壁の色に合わせてコーディネートすることが可能です。
ベランダのリフォームはベランダの形状と目的に合わせて依頼する
ベランダ・バルコニーのリフォームの種類をご紹介しました。
ベランダやバルコニーの形状は家によって異なりますので、メンテナンス方法もベランダの状況に合わせて行う必要があります。
また、ベランダのスペースをどのように活かしたいかでもリフォームの内容は変わってきます。
特に増設リフォームの場合は希望を具体的に決めておくと、理想のベランダリフォームを依頼することができます。
サンルーム設置などの場合は建蔽率や固定資産税についても気にしておかなければなりませんので、十分な検討の上、外構工事業者に相談して計画すると良いでしょう。